データマーケティングとは?データ活用でできることや実践6ステップを解説。

近年、ビッグデータやDXというキーワードが普及するに伴って、既存ビジネスにデータを活用をしていく流れができています。

特に、2020年代以降はAI技術が急速に進歩しています。それによって、高度なデータの分析が可能となったため、これまで以上にデータ活用の流れが加速しています。

この記事では、データを活用したマーケティング施策によって、これまでの勘や経験に基づいた意思決定からの脱却を目指す経営層やマーケティング担当者様向けの記事となっております。

マーケティングにデータを活用するメリット、具体的に出来ること、実践のためのステップ、主要なデータ分析の手法などをご紹介します。

目次

マーケティング×データ活用が注目されるようになった背景

労働人口の減少

データ活用がビジネスにおいて重要視されるようになった背景には、日本の労働人口の減少が大きく影響しています。

労働力不足により、企業は生産性の向上や効率化を迫られるようになりました。このため、効率的な意思決定や業務改善を行うためにデータ活用が重要視されるようになってきています。

顧客ニーズの多様化

また、顧客ニーズの多様化や購買行動の多様化もデータ活用が推進される理由の一つとして挙げられます。現代社会では、インターネットの普及やグローバル化の進展に伴い、消費者の価値観やライフスタイルが多様化しています。これにより、企業は顧客のニーズや購買行動を正確に把握し、迅速に対応することが求められるようになりました。

企業は、消費者の購買履歴やウェブサイトの閲覧履歴、さまざまなデータを収集・分析することで、顧客の嗜好や消費動向を詳細かつリアルタイムに把握することが出来るようになりました。

このことにより、企業はパーソナライズしたマーケティング施策が行えるようになり、これまでのように一律に一方的なメッセージを届けるのではなく、顧客一人ひとりのニーズに基づいてコンテンツの提供が出来るようになりました。

ビッグデータ活用の浸透

また、ビッグデータの普及もデータ活用が重要視されるようになった理由の一つです。2010年代以降、インターネットの発展やIoTデバイスの普及、スマートフォンの利用拡大により、膨大な量のデータが生成・流通しています。これらのデータは、ビッグデータと呼ばれ、ビジネスの世界で革新的な価値を生み出すことが期待されています。

ビッグデータの活用をすることで、これまでは発見できなかったデータ同士の関連性や規則性などが可視化出来るようになり、新たな市場の開拓や商品開発に活かされてきています。

データマーケティングのメリット

パーソナライズされた効果的なマーケティング施策

データマーケティングを活用することで、顧客の購買履歴や行動データをもとに、個々のニーズに合わせたパーソナライズされたマーケティング施策が実行できます。

例えば、ECサイトでは、顧客の閲覧履歴や購入履歴をもとに、個別に適切な商品をレコメンドすることで、購入率や購入単価の向上に活用されています。

データドリブンな意思決定が可能に

データを活用することで、これまで勘や経験に頼っていた意思決定を、データに基づいた客観的な根拠に基づいて行うことができます。

例えば、各種広告施策の効果を正確に測定し、予算配分を最適化する際に活用可能です。

また、データを根拠にすることで、意思決定のプロセスがシンプルになるため、機会損失を防ぐことにも繋がります。

新たなニーズや市場の発見

顧客データの分析によって、新たなニーズや市場の機会を発見することが可能です。例えば、顧客の購買履歴やデモグラフィックデータを分析することで、特定の地域や年齢層に強い需要がある商品やサービスを特定できます。これにより、企業はターゲット市場を絞り込んで効果的なプロモーション活動を展開したり、新たな顧客層へのアプローチを試みることができます。

データマーケティングの実践6ステップ

①目的設定

データ活用マーケティングを成功させるためには、最初に明確な目的を設定することが重要です。目的設定により、データ収集や分析における方向性が定まり、効率的なマーケティング活動が実施できます。
「使っていないデータがあるから、何かできないか?」というデータありきの発想ではなく、「〇〇という課題を解決したい」という課題起点の目的を設定しましょう。

②データ収集

次に、目的に沿った効果的なデータ収集が必要です。データは、顧客情報、購買履歴、ウェブサイトのアクセス状況、SNSでの発言など、さまざまな情報源から取得できます。データ収集の際には、プライバシー保護や法令遵守に注意しながら、目的に沿った情報を網羅的かつ効率的に収集することが重要です。

③データクレンジング

収集したデータには、欠損値や外れ値、重複データなどが含まれることがあります。データクレンジングと整理を行い、正確で信頼性の高いデータセットを作成することで、精度の高い分析が可能となります。

④データ分析

データクレンジングと整理が完了したら、データ分析を行い、インサイトの抽出や示唆出しをします。このデータ分析の段顔では、統計分析や機械学習、AI技術などが活用されるケースが多いです。ここで得られたインサイトは、顧客のニーズや嗜好、市場の動向などを理解するための貴重な情報源となります。

⑤戦略策定と実行

分析によって得られたインサイトをもとに、具体的なマーケティング戦略を策定し、実行に移します。これには、ターゲット市場の選定、広告クリエイティブの開発、適切なチャネルやタイミングでの施策展開などが含まれます。データを活用した戦略策定により、より効果的なマーケティング活動が期待できます。

⑥施策評価

最後に、実施した施策の評価を行い、改善のためのフィードバックループを繰り返します。施策の効果を定量的・定性的に評価することで、マーケティング活動の最適化が可能となります。KPIを設定し、BIツールなどを医用して、達成度を定期的にモニタリングする体制作りも重要です。また、A/Bテストや多変量テストを活用して、施策のバリエーションを試し、最適な方法を見つけ出すことも効果的です。

マーケティングで活用できるデータ分析手法

統計的仮説検定とA/Bテスト

A/Bテストは、異なる訴求やデザインの広告・ウェブページを比較し、パフォーマンスの良い方を選択し、改善を繰り返す手法です。

このA/Bテストで得られた結果の差が、偶然生じたものではないことを確認するために、しばしば統計的仮説検定が用いられます。

例えば、ある広告バナーでクリック率のA/Bテストを行ったとします。その際、Aパターンは1.0%のクリック率、Bパターンは1.2%のクリック率だった場合、本当にBパターンが優れたバナーだと言えるでしょうか?答えはNoです。

プロ野球チーム同士の1試合だけの勝負に限っては、弱いチームが勝つことが往々にしてあります。それと同様に、広告のバナーにおいても、お互いの実力差と試行回数によっては、A/Bテストの結果が偶然逆転することもあります。

そのA/Bテストの結果が偶然ではなく、本来の実力通りの結果であることを確かめる手法が統計的仮設検定です。

回帰分析を用いた影響要因分析

回帰分析は、複数の変数間の関係を数学的にモデル化する手法で、目的変数と説明変数の関係を明らかにし、予測や影響要因分析に利用されます。

例えば、複数媒体の広告費と売上の関係を分析する場合を考えてみます。

Facebook広告とGoogle広告を利用して、プロモーションをしているケースで、回帰分析を利用すると、

「Google広告とFacebook広告がそれぞれ売上にどの程度影響しているか?」という要因分析、「広告費用を上げた場合、売上にどれだけインパクトを与えるか?」といった予測が行えます。

これによって、予算配分の最適化やROI向上といった課題が解決されることが期待されます。

ロジスティック回帰分析で顧客の購買予測

ロジスティック回帰分析は、説明変数と二値の結果(目的変数)との関係を明らかにする手法で、ある事象の発生確率を予測する目的で利用されます。

例えば、顧客の年齢や収入やページの閲覧履歴(説明変数)、過去の購入履歴(目的変数)などのデータをもとに、購入確率を予測することができます。この予測に基づいて、最適なターゲット層やキャンペーン施策を選定し、コンバージョン率や顧客満足度の向上につなげることが期待されます。

クラスター分析で顧客セグメント化

クラスター分析は、データを類似性に基づいてグループに分ける手法で、データの構造やパターンを把握する目的で利用されます。マーケティングでは、顧客の購買履歴やデモグラフィック情報をもとに、類似の嗜好やニーズを持つ顧客グループを作成することができます。これにより、各グループに合わせたターゲットメッセージやプロモーションを展開することで、マーケティングの効果を向上させる課題が解決されることが期待されます。

クロス集計によるデータの関連性分析

クロス集計は、2つ以上の変数の分布や関連性を表形式で表示する手法です。データの大枠を把握し、パターンや傾向を調べる目的で利用されます。例えば年齢層別と性別の商品購入データをクロス集計することで、特定商品がどの年齢層や性別に支持されているのかが明らかになります。これにより、ターゲット層に合わせたプロモーション戦略を展開し、マーケティング効果を向上させる課題が解決されることが期待されます。

主成分分析でデータの次元削減

主成分分析は、多次元のデータをより少ない次元に圧縮する統計手法です。複雑なデータの重要な特徴を抽出し、次元削減や可視化を目的として利用されます。

具体的には、多数の顧客属性データ(年齢、収入、購買履歴など)から相関の強い情報を見つけ、それらを新しい軸(主成分)に変換します。この新しい軸によって、元のデータの情報を最大限に保持しながら、次元数を減らすことができます。例えば、年齢と収入が強く相関している場合、これらを1つの新しい「購買力」という軸(主成分)にまとめることができ、データをより簡潔に表現できます

因子分析で潜在要因の特定

因子分析とは、多くの変数から共通の潜在要因(因子)を抽出する統計的手法で、データの構造や相関関係を理解しやすくすることが目的です。マーケティングでは、例えば顧客の購買行動やアンケート回答などの多数の変数を分析し、潜在的な消費者ニーズや嗜好を特定するために利用されます。

具体的には、顧客満足度調査で得られた複数の項目(商品品質、価格、サービスなど)を因子分析することで、顧客の評価基準や重要なニーズが明らかになります。これによって、どの要素に焦点を当てたプロモーションやサービス改善が効果的であるかを判断し、マーケティング戦略を最適化できます。

この手法を用いることで、マーケティングの課題である顧客満足度の向上やニーズの特定、ターゲットセグメントの明確化などが解決されることが期待されます。また、因子分析によって潜在的な要因が明らかになるため、データ解釈や戦略策定が容易になり、効率的なマーケティング活動が実現できます。

レコメンドエンジンによるECサイトの売上増加

レコメンドエンジンとは、ユーザーの過去の行動や好み、商品の特徴に基づいて、関連性の高い商品やサービス、コンテンツなどを提案する技術のことです。レコメンドエンジンは、ECサイトなどでユーザーエクスペリエンスの向上や売上増加の目的で活用されます。

例えば、ECサイトでスマートフォンを購入しようとしているとします。この時、ECサイトから、関連するアイテム(スマートフォンケースや保護フィルム)や、同じブランドの高性能モデルを提案された経験はないでしょうか。あれはまさに、レコメンドエンジンの働きによるものです。

まとめ

データマーケティングは、人材不足やAI技術の発展により、注目が集まってきています。データを活用したマーケティングに取り組むことで、「根拠に基づいた意思決定」「複雑化する顧客ニーズへの対応」「新しい市場(インサイト)の発見」を行うことが可能です。
ぜひ、この記事を参考に「具体的にデータ活用でマーケティングのどんな課題を解決したいか?」「具体的にどんなことが可能なのか」を考えてみましょう。

この記事を書いた人

AIに関する情報を分かりやすく発信していきます。G検定取得。日々、最新のテクノロジーへのキャッチアップやデータサイエンスの学習に奮闘中。

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