ディープフェイクとは?おすすめの動画作成アプリやフェイクポルノとの関係性を解説!

「ディープフェイク」という言葉を一度は耳にしたことがある人も増えてきているのではないでしょうか?AI(人工知能)の技術であるディープラーニング(深層学習)とフェイク(偽物)を組み合わせた比較的新しい言葉です。

今回はディープフェイクの基本情報や活用方法、おすすめのアプリについて解説します。フェイクポルノやなりすましなど、悪用されている現状と今後のディープフェイクの未来についても紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

ディープフェイクとは?

「ディープフェイク」という言葉が世に出回り始めたのは2017年からです。ここからはその言葉の由来や変遷、ディープフェイクでできることについて紹介していきます。

ディープフェイクの言葉の由来と変遷

「ディープフェイク」という言葉は、AI(人工知能)の技術である「ディープラーニング(深層学習)」と「フェイク(偽物)」の2つに由来しています。2000年代から始まった第3次AIブームの影響を受けて成長してきた新しい分野です。

2017年にネット上に公開されたディープフェイク動画が話題のきっかけとなりました。その後、ディープフェイクの技術はコード共有サイト「GitHub」に一般公開されたことで、世の中に広く認知されるようになったのです。

ディープフェイクでできること

ディープフェイクの技術を使ってできることは、基本的に以下の通りです。

動画・映像加工大量のデータをAIに取り込んでおけば、映画やCG映像などの動画に出てくる登場人物を別の顔に差し替えることができる
リアルタイム加工加工後のフェイスの情報をAIに取り込んでおくことで、ニュースやライブなどのリアルタイム映像にも加工を施すことができる
画像編集動画だけではなく写真や絵画などの静止画にも加工を施すことができる

AIに大量のフェイスデータを取り込んでおくことで、ディープフェイクの作成が可能です。データの量が多いほど、よりリアルに近いディープフェイク動画を作ることができます。

ディープフェイク動画を作成できるおすすめサイト・アプリ

ディープフェイクのアルゴリズムが一般公開されて以降、知識のない一般人でも簡単に動画の作成、加工ができるようになりました。ここからはディープフェイク動画を簡単に作成できるおすすめのサイト・アプリを3つ紹介します。

Deepfakeswebβ(PC)

画像引用:Deepfakesweb「公式サイト」

Deepfakeswebβはパソコン版のディープフェイク動画作成サイトです。動画をアップロードするだけで、フェイスデータの抽出、機械学習、動画作成まで自動で行ってくれるのが特徴です。また、日本語にも対応しているため利便性が高く、日本人でも迷うことなく動画作成ができます。

FakeApp(PC)

画像引用:FakeApp「ウィンドウズダウンロードページ」

FakeAppはパソコン版のディープフェイク動画作成サイトです。AIの技術を使って画像データから顔の情報を読み取り、動画内にインサートすることができます。完成までの時間が比較的短く、動画の完成度が高いのが特徴です。

Xpression(スマホ)

画像引用:Xpression「アプリストアページ」

Xpressionはスマホ版のディープフェイク動画作成アプリです。リアルタイムで動く映像に対して、有名人やキャラクターの顔をあてはめてディープフェイク動画を作ることができます。ダウンロードは無料で操作も簡単なため、初めてディープフェイク動画を作るという方におすすめです。

ディープフェイクの活用例

ディープフェイクはすでに映画や映像、ニュースやモデルといった活用例があります。ここからはその中でも代表的な活用例について紹介します。

人間の顔をディズニー風に加工できるアプリ

画像引用:Toonify「サイトトップページ」

「Toonify」というアプリは、人間の顔をディズニー風に加工できることで有名です。このアプリにもディープフェイクの技術が使われています。今後はデータの蓄積により、変換の精度や眼鏡を欠けているユーザーへの適応率の向上が期待されています。

映画「ライオン・キング」(実写版)のファン動画

2019年公開の映画「ライオン・キング」(実写版)のファン動画にもディープフェイクが使用されています。これまでの「ライオン・キング」シリーズは、イラスト映像や被り物での舞台が中心のエンターテインメントと言えます。しかし、今回は実際に存在する風景と動物をキャスティングしている新しい試みです。公開後わずか2日の間に120万回以上の再生数を達成した事でも話題になりました。

参考:映画「ライオン・キング」(実写版)「予告編映像」

バーチャルタレント

ディープフェイクの技術は、テレビやYouTubeのバーチャルタレントに使われています。バーチャルタレントとは素顔をさらすことなくバーチャルなキャラクターを使って活動しているタレントのことで、リアルタイムで本人の動きや表情がキャラクターに反映されます。バーチャルユーチューバーとして活動しながら、官公庁のPRキャラクターとしてタレント活動をしてるキズナアイが具体例です。

画像引用・参考:キズナアイ「公式ページ」

ニュース番組のAIキャスター

中国の国営メディア「中国新華社通信(CNN)」では、ディープフェイクにより加工したキャスターの映像を使ってニュースの読み上げを行う活動を本格化させています。将来的には、危険な現場でのリポートや深夜帯の労働負担を減少させることにつながるでしょう。私たちの働き方にも影響を及ぼす可能性も否めません。

画像引用・参考:中国新華社通信(CNN)「動画ニュース伝える『AIキャスター』登場」

ディープフェイクの課題・問題点

ディープフェイクにはエンターテインメントの表現の幅を広げたり、労働環境を改善させ得るというメリットがある一方で、近年指摘されている大きな課題や問題点があります。ここからはディープフェイクを使ったなりすましの問題、フェイクポルノの問題について解説します。

なりすましの問題

ディープフェイクは映像のリアルさからなりすましや詐欺に使われてしまうことがあります。2018年に公開されたバラク・オバマ元大統領のフェイク動画は、「発言していないこと」を「発言している」かのように見せていると話題を呼びました。また、AIによって実在する人間に似せた音声を生成することで、電話口での詐欺などに利用されているケースも出てきています。

参考:YouTube「バラク・オバマ氏フェイク動画」

フェイクポルノの問題

フェイクポルノとは、実際に存在する女優や有名人の顔をディープフェイクの技術を使ってアダルト動画にあてはめて加工している動画のトラブルです。2020年10月には日本でも初めて逮捕者が出ています。しかし、日本にはフェイクポルノに対応する法律がないため、名誉棄損といった既存の法律での取り締まりしか行えないことが問題視されています。

参考:朝日新聞「『ディープフェイク職人』逮捕 AVの顔すり替えた容疑」

ディープフェイクの将来

ディープフェイクは映像技術の進歩として捉えられる半面、犯罪に使われてしまうという欠点があります。そのため、ディープフェイクには光と闇があると言えるでしょう。ここからは、ディープフェイクの将来について解説していきます。

AI分野の法やルールが定められる

ディープフェイクを含むAI技術の進歩は近年目覚ましいものがあります。一方で法律やルール作りが追いついていない現状があるのも事実です。今後はディープフェイクで問題視されているフェイクポルノの問題を中心に、技術を悪用する者への罰則規定が定められたり、利用制限などのルール作りが徹底されていくことが予想されます。

DXにディープフェイクが用いられる

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、ビジネスの領域にAIなどのデジタル技術を積極的に導入していくという考えです。新型コロナウイルスの世界的大流行によってリモートでの働き方やオンラインでの接客が増えた現在、ディープフェイクの技術はビジネスにフィットしやすい状況であると言えます。今後はZOOMやGoogleMeetといったオンラインツールに標準装備でディープフェイクが活用されたり、接客や打ち合わせをバーチャルキャラクターを介して行ったりする未来が期待されています。

ディープフェイクまとめ

ディープフェイクとは、AI(人工知能)の技術である「ディープラーニング(深層学習)」と「フェイク(偽物)」を組み合わせた新しい言葉です。この技術を使うことで動画や映像、画像の加工ができます。

映画やニュース番組で活用することで、表現の幅を広げたり労働環境を改善したりすることが可能です。一方で、なりすましによる詐欺やフェイクポルノといった被害が出てしまっているという現状があります。

今後は法律やルールが定められていき、ビジネスの分野で幅広くディープフェイクの技術が扱われていくことに期待ができます。あなたもぜひ最新の情報を常に頭にいれて、ディープフェイクの技術をうまく活用してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

AIに関する情報を分かりやすく発信していきます。G検定取得。日々、最新のテクノロジーへのキャッチアップやデータサイエンスの学習に奮闘中。

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